完全お預け体験談
先住のルカがちょうど 1 歳の頃、本格的にトレーニングを始めようと思い出会ったのが、 我が家からも程近いワンラブさんでした。
約 1 年半ルカの出張トレーニングでお世話になり、その後ディスク大会への参加をお誘い頂いたこ とをきっかけに、ほぼ毎月 1~2 回はお会いする機会がありました。 大会後には他の参加者の方達ともお食事に行ったりと、交流やお話しする機会も多く、 その中で渡辺トレーナーの考え方に共感し、信頼度が増していきました。
先住のルカを迎える前、我が家はコーギー2 頭の多頭飼いでした。
それ故、割と早い段階で 2 頭目の子のことは考えており、なんとなく次に迎える子のことも ぼんやりとトレーナーさんとの会話の中では出てきていました。
先住のルカが 5 歳を過ぎた頃、本格的に次の子を探している中で、前々から興味深く思っていたの がワンラブの真骨頂ともいうべき、「社会化完全お預かり」というもの。 それまでのトレーナーさんとの会話の中や、他の子のトレーニング状態をインスタなどで見ていて、 パピーのまっさらな状態の時期にお願いしてこそ、このプログラムの意味が最大限に生かされるん だろうなと、とても興味深く思っていました。
いくつになってもトレーニングは始められるけれど、やはり若ければ若いうち、しかも飼い主の余 計で中途半端な溺愛などでややこしい状態にならないうちのほうが、その犬本来の良い部分を引き 出せるのではないだろうか。 それでも可愛い盛りのパピー期を手元で見ることが出来ない、そして費用的な問題、凄く躊躇った し悩みました。 しかし、諸々含めて考えてみても、やっぱり子犬にとってメリットしかない、なにより最大の壁、 先住犬ルカとの相性問題。
ルカはトレーニングの成果と、何より一緒にディスクをしているからか、生活する上で特に悩むよ うな問題は今はほとんどありませんが、性格的なことは別です。 基本的に憶病で神経質なルカに、パピーとの生活が上手いく絵が浮かびません。 コーギーの多頭飼いで、犬同士の関係性を拗らせている話しも良く見聞きします。 無論、トレーナーさんにも相談していて、客観的に見ても傍若無人なパピーの振る舞いに、恐らく ルカは嫌気がさして関係は悪くなるかもしれないと意見が一致。 飼い主次第では?とも思うかもしれませんが、上手くいかせる自信が全くありませんでした。 何より、神経質なルカにストレスを与えたくない、関係を拗らせたくないという思いの方が強かっ たのです。
なので、今回「完全お預け」をお願いした「音」をお迎えする段階で、5 頭生まれた子犬の中の選定 からトレーナーさんには参加して頂きました。 ブリーダーさん宅での動画、選定の際のお見合いの時にも動画を見て頂き、「音」をお迎えすること を決めました。
そしていよいよお迎えの日。 ブリーダーさん宅からお迎えしたその足で、ワンラブへ直行し「音」の社会化完全お預かりが始ま りました。
正直な気持ち、お迎えして数日、いやせめて 1 日、2 日は一緒にいたい。 当然思いましたし、なんならお迎えの帰り道ですら、あまりに可愛くて
「やっぱり今日は預けるのをやめようかな・・・」とモヤモヤしながらも ワンラブへ「音」を送り届けたものです(苦笑)
ここまで葛藤する中で、トレーナーさんが無理強いすることも、何かを強制することはもちろん無 かったです。
恐らく、「1~2 日は手元に置きたい」と言っても、「わかりました~!」と言ってくれたでしょう。 トレーナーさん的には 1~2 日私達の手元に置いて過ごしたところで、「音」にとっては大した影響 はないと考えたと思います。
影響が大きいのは飼い主である私達のほうで、わずか 1~2 日であっても「音」に対しての執着心は とても強くなったと思います。 これがトレーニングの際にも良く耳にする「人間の余計な感情」ってことでしょうか。
今だからこそ言えますが、ブリーダーさん宅からワンラブへ直行して「音」を預けたことにより、そ の後の私達の感情も割とフラットでした。 我が家の子でありながら、我が家の子ではないような不思議な感覚。 ワンラブで日々発信される「音」を俯瞰で見ていました。
「今日はこんなことしたんだ~」「今日はそんなこと覚えたんだ~」
無論、1 日何度も毎日、毎日、発信される「音」を追っているのですが、“我が家の子”という実感が やや薄い感覚なのも事実。
お迎えした当初、すぐにお腹の調子を崩した「音」でしたが、「心配で心配で堪らない!」という感 情はあまり湧かなかったです。 それはトレーナーさん他スタッフの方々を信頼していましたので、緊急性があればすぐに適切な対 応をしてくれるでしょうし、私達は飼い主としての当たり前の対応(獣医さんへ連れ行く)を淡々とす るのみ。 少々薄情に思えるかもしれませんが、振り返ってみると、このくらいの感覚(感情)でいないと、半年 預けるということは続かなったのかもしれません。 仮に今、先住のルカを半年預けると思ったら、とてもじゃないけれど「音」と同じ感情では見守れな い自負があります(苦笑)
「可愛い」と思う気持ちはごく自然で当たり前な感情ですが、度を超すと犬にとっては「余計な感 情」となり、それが積み重なると、飼い主が気付かないうちにいわゆる問題行動へと発展する可能 性があると思います。
トレーニングの際、「構いすぎ」と 1 度は言われたことがある人もいると思います。 私達もルカのトレーニングの際、何度か言われたことがあります。 「そこまで構ってないのにな~」よく思ったものです(苦笑) でも、この「音」を預けている時の不思議な感覚が、適度な距離感なのかもしれないと思うようにな りました。
「音」を預けて約 2 週間後、ワンラブでの生活にも慣れてきた様子なので、初めて私達も介入して のパピートレーニングがありました。
この時、わずか 2 週間でその成果を実感することが出来ました。 どう表現したら分かりやすいでしょうか? 無駄に触られたりしてない分、過度な反応がありません。 パピー特有のクレートから出したら、「構え~!」と突進してきて、手や足をガブガブ!
こういう行動がほとんどないのです。まだ 3 ヶ月、預けて 2 週間です。 まずジーッとこちらを観察する、様子を見る。 私達も黙って、過度に「可愛い~~~」などとは言わないで様子を見る。 本来の「音」の性格もあるかもしれません。 後々わかりますが、かなりおっとり君で慎重な性格です。 だからこそ、余計にワンラブの社会化プログラムがバッチリと合ったのかもしれません。 「音」にとっては、この時の私達は“よく知らない人間”だったでしょうね。
その後、週に 1 回程度、パピートレーニングで「音」に関わっていきますが、やはり一緒に暮らし ていないからでしょうか・・・。 もちろん「可愛い」とは思いますが、どこかやはり一歩引いた不思議な感情があります。 この不思議な感情は、「音」が半年後にワンラブを卒業するまで続きました。
生後 5 ヶ月頃には、ディスク大会デビュー(超初心者クラス)もしました。 ディスク大会に出る以上、ゆくゆくはオフリード状態で参加出来るようにする必要がありましたが、 このデビュー戦で「音」はオフリードで参戦出来ました。 私達はそこに関しては少々不安ではあったのですが、日々トレーナーさんが積み重ねている基礎が、 「音」にはしっかりとありました。 ワンラブでトレーニングを始めると必ずやるアレです、“追いかけっこ” むしろ、「音」は人から離れることのほうが少し怖かったような時期で、どこかにすっ飛んで走り去 るようなことは全くなく、「音」にしてみれば、ディスクをやりに来たのではなく、いつもの“追いか けっこ”をして楽しく遊んでいるのです。
ディスク大会としてのゲームが成り立つか否かは問題ではなく、普段とは違う環境、スピーカーか ら流れるアナウンスや音楽、他のたくさんの犬達、たくさんの人間達。 その環境の中で、いかに“普通”に遊べるか?飼い主に意識が向いているか?
5 ヶ月で初参戦して、楽しく一生懸命遊んで、待機中はコットやクレートの中で爆睡。 これって、意外とすんなりと出来なかったりします。
先住犬のルカは、ディスク大会に 3 年以上参戦していますが、未だにタープ内での待機が苦手です。 爆睡するなんて論外。 怖がりで神経質、風が強い日はタープもバサバサ揺れてうるさいので、怖くて仕方ない。 この姿を見るたびに、「あぁ、ルカももっと早くトレーニングを始めれば良かった」と後悔します。 しかし、ディスクを持ってコート内に入れば 180 度変わって夢中でディスクを追いかける。 「音」のように小さい頃から意識して日常を積み重ねていけば、同じようにゲームが終わったら爆 睡して待機できたのかもしれません。
週一のパピートレーニングと並行して、先住犬ルカもワンラブへ日中預かりに行かせました。 双方、徐々に慣れさせる為にです。
卒業間近には、「音」を一時帰宅させて我が家でお泊り。 お互いに、多分何かを感じ取ってはいたと思います。
ワンラブを卒業して帰ってきた「音」に対し、ルカは思いのほか拒絶を示しませんでした。 かと言って、大歓迎で迎え入れたわけでもありません。 良くも悪くもワンラブで過ごすのと同じ。たくさんいる犬達の中の「音」という存在。
しかし、「音」の振る舞いも大人だったのもあります。 「遊べー!」と傍若無人にルカに飛び掛かるようなこともしない、相手の出方や様子を見ることが 出来る。
半年間のワンラブでの集団生活の成果が生きています。 ワンラブではそれこそ日々色々な子が来ます。 ルカよりもっともっと臆病な子、どう振舞えば分からない子、明るい子、大人しい子、元気過ぎる子 などなど。
「音」は贔屓目なしにして、割とそつなく振舞っていたと思います。 時にはキックやハットと同じ「音はワンラブの子では?」と、錯覚するようなことも多々ありまし た。
相手の子の月齢によって、遊び方も変えていたようにも思います。 たくさんの犬同士の中からも、「音」は多くのことを学んできました。
なので、ルカの対応などはお手のものだったでしょう(笑) 何しろ“慣れているので”、基本的に、ルカの嫌がるようなことをしません。 これを最大の目的としていました。 コーギーは基本的に頑固で気が強いので、関係性が崩れると修復不能か、修復に膨大な時間を要す るのを実際に見てきています。
勿論、「音」だけが良い子でも意味がないので、飼い主の私達も注意していくことはたくさんありま す。 ただ、最大のネックとなりそうな事、これを回避できたことは今後の生活に大きな影響があると考 えています。
ルカにとっても、音にとっても、この先の生活が「楽しい」ものとなるよう、これからも日々コツコ ツと積み重ねて楽しく暮らせていければ幸せです。
これから先もお世話になりますが、ひとまず「音」にとって一番大切な時期を、愛情もって大切にし て頂いたトレーナーさんはじめ、スタッフのみなさまには感謝しかありません。 本当にありがとうございました。
そして、これからもよろしくお願いします。